単なるアニメーションにとどまらない!条件分岐やイベント待機など「Tween24.js」の新機能

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Tween24.js」はメソッドチェーンで記述するのが特徴で、たった1行でアニメーションが実装可能なJavaScriptライブラリです。筆者が開発を続けており、今回の2021年8月アップデートでは条件分岐やイベント待機など、アニメーション作成をより柔軟にするための機能追加がメインとなっています。

基本的な使い方や導入方法は、記事「新感覚!メソッドチェーンでアニメーションがスラスラ書ける「Tween24.js」を作りました」をご覧ください。

今回のアップデート内容

  • 新機能:トゥイーンを条件分岐させるifCase()
  • 新機能:イベントを受け取るまで待機するwaitEvent(), waitEventAndFunc()
  • 新機能:途中で次のトゥイーンへ移行するjump()
  • 新機能:親トゥイーンを進めるトリガーに設定するtrigger()
  • 新機能:トゥイーンを完了状態にするskip()
  • 新機能:手動でトゥイーンを更新するmanualPlay(), manualUpdate()
  • 新機能:トゥイーンをID指定で操作する

新機能:トゥイーンを条件分岐させるifCase()

ifCase()は、フラグによって条件分岐するトゥイーンを設定できます。フラグにboolean値を指定した場合はトゥイーン作成時に判定し、boolean値を返す関数を指定した場合はトゥイーン実行毎に判定します。

Tween24.ifCase(boolean値 or booleanを返す関数, true時に再生されるトゥイーン, false時に再生されるトゥイーン)
// 繰り返しトゥイーン
Tween24.loop(0,
    Tween24.serial(
        // チェックボックスの状態で分岐させる
        Tween24.ifCase(() => { return document.getElementById("rotation").checked; },
            // チェックされている場合、回転を加えたトゥイーンを再生する
            Tween24.tween("#box", 1, Ease24._6_ExpoInOut).x(860).rotation(360),
            // チェックがない場合、右へ移動させるトゥイーンを再生する
            Tween24.tween("#box", 1, Ease24._6_ExpoInOut).x(860)
        ),
        // 座標をリセット
        Tween24.prop("#box").x(0)
    )
).play();

トゥイーンを関数で条件分岐させるデモ

新機能:イベントを受け取るまで待機するwaitEvent()、waitEventAndFunc()

waitEvent()は、イベントを受け取るまでトゥイーンを待機します。

Tween24.waitEvent(イベントを受け取る対象, イベントタイプ)
Tween24.serial(
    // 画面中央にフェードイン
    Tween24.tween("#box", 1, Ease24._6_ExpoInOut).x(430).opacity(1),
    // クリックされるまで待機
    Tween24.waitEvent("#box", Event24.CLICK),
    // 画面右にフェードアウト
    Tween24.tween("#box", 1, Ease24._6_ExpoInOut).x(860).opacity(0)
).play();

イベントを受け取るまでトゥイーンを待機させるデモ

イベント待機状態にした上で関数を実行したい場合は、waitEventAndFunc()を使用します。

Tween24.func()の後にTween24.waitEvent()を実行しても同じように思えますが、func()を実行したフレーム内でイベントが発火してしまうと、waitEvent()実行前のためイベントが受け取れません。そういった可能性のあるケースでは、waitEventAndFunc()が効果的です。

Tween24.waitEventAndFunc(イベントを受け取る対象, イベントタイプ, 実行する関数, 関数に渡す引数)

新機能:途中で次のトゥイーンへ移行するjump()

jump()は、次のトゥイーンへ移行するタイミングを設定します。タイミングはトゥイーンの進捗率0 ~ 1を引数に指定します。

使い所としては、直列トゥイーンで順番に再生させる時、次のトゥイーンをかぶせて再生したいといった場合に有効です。たとえば以下の例では、緩急の強いイージングを設定すると始点や終点の移動量がほぼなく、それぞれのトゥイーンが途切れて見えてしまいます

Tween24.serial(
    // 右、下、左、上へ順番にトゥイーンします
    Tween24.tween("#box", 1, Ease24._6_ExpoInOut).x(810),
    Tween24.tween("#box", 1, Ease24._6_ExpoInOut).y(330),
    Tween24.tween("#box", 1, Ease24._6_ExpoInOut).x(50),
    Tween24.tween("#box", 1, Ease24._6_ExpoInOut).y(50)
).play();

次のトゥイーンへ移行するタイミングを設定するデモ

そこで、jump()を設定します。トゥイーンがかぶせて再生されるので、スムーズに繋がります

Tween24.jump(移行するタイミング(進捗率))
Tween24.serial(
    // 進捗率0.5のタイミングで次へ
    Tween24.tween("#box", 1, Ease24._6_ExpoInOut).x(810).jump(0.5),
    // 進捗率0.5のタイミングで次へ
    Tween24.tween("#box", 1, Ease24._6_ExpoInOut).y(330).jump(0.5),
    // 進捗率0.5のタイミングで次へ
    Tween24.tween("#box", 1, Ease24._6_ExpoInOut).x(50).jump(0.5),
    Tween24.tween("#box", 1, Ease24._6_ExpoInOut).y(50)
).play();

次のトゥイーンへ移行するタイミングを設定するデモ

親トゥイーンを進めるトリガーに設定するtrigger()

trigger()は、親子構造のトゥイーンの子に設定します。

直列トゥイーン(Tween24.serial())の場合は最後の子トゥイーンが、並列トゥイーン(Tween24.parallel())の場合はすべての子トゥイーンが完了になると親トゥイーンは次の処理へ進みます。trigger()を子トゥイーンに設定すると、そのトゥイーンが完了したタイミング親トゥイーンは次の処理へ進みます

Tween24.serial(
    // 1つずつ順番に右端へトゥイーンします
    Tween24.serial(
        Tween24.tween("#box1", 1, Ease24._6_ExpoInOut).x(860),
        // このトゥイーンが完了したら、親トゥイーンを次に進めます
        Tween24.tween("#box2", 1, Ease24._6_ExpoInOut).x(860).trigger(),
        Tween24.tween("#box3", 1, Ease24._6_ExpoInOut).x(860)
    ),
    // 1つずつ順番に左端へトゥイーンします
    Tween24.serial(
        Tween24.tween("#box1", 1, Ease24._6_ExpoInOut).x(0),
        Tween24.tween("#box2", 1, Ease24._6_ExpoInOut).x(0),
        Tween24.tween("#box3", 1, Ease24._6_ExpoInOut).x(0)
    )
).play();

親トゥイーンを進めるトリガーに設定するデモ

新機能:トゥイーンを完了状態にするskip()

skip()play()stop()と同様にトゥイーンを操作するメソッドで、トゥイーンを瞬時に完了時の状態にします。

// 0.1秒の遅延をかけながら、X座標930にトゥイーンします
const tween = Tween24.lag(0.1,
    Tween24.tween("#box", 1, Ease24._6_ExpoInOut).x(930)
);
tween.play();

// 1秒後に、トゥイーンをスキップさせます
Tween24.func(tween.skip).delay(1).play();

トゥイーンを完了状態にするデモ

新機能:手動でトゥイーンを更新するmanualPlay()、manualUpdate()

manualPlay()play()の代わりに使用します。manualPlay()で再生されたトゥイーンは自動的には更新されず、manualUpdate()を呼び出すと更新されます。

使い所としては、たとえばthree.jsのような3Dライブラリと組み合わせる時にレンダリングの処理をまとめたり、処理のタイミングを調整したい場合に有用です。

manualPlay()したトゥイーンをまとめて更新したい場合は、Tween24.manualAllUpdate()を使用します。

Tween24.loop(0,
    Tween24.serial(
        // 1秒かけてX座標860にトゥイーンします
        Tween24.tween("#box", 1, Ease24._6_ExpoInOut).x(860),
        // 1秒かけてX座標0にトゥイーンします
        Tween24.tween("#box", 1, Ease24._6_ExpoInOut).x(0)
    )
).manualPlay(); // マニュアルモードで再生します

// 0.1秒毎に手動アップデートを実行します
setInterval(Tween24.manualAllUpdate, 100);

手動でトゥイーンを更新するデモ

新機能:トゥイーンをID指定で操作する

トゥイーンにid()groupId()を設定すると、そのIDを指定して操作できます。id()は単一のトゥイーン、groupId()は複数のトゥイーンをグルーピングします。

トゥイーンをIDで操作するには、以下のメソッドを使用します。

// 単一のトゥイーンを操作
Tween24.playById(...)
Tween24.pauseById(...)
Tween24.skipById(...)
Tween24.stopById(...)
Tween24.manualPlayById(...)

// グルーピングされたトゥイーンを操作
Tween24.playByGroupId(...)
Tween24.pauseByGroupId(...)
Tween24.skipByGroupId(...)
Tween24.stopByGroupId(...)
Tween24.manualPlayByGroupId(...)
// トゥイーンに ID:tw01 を設定します
Tween24.tween(".box", 1).x(860).id("tw01");

// ID:tw01 のトゥイーンを再生します
Tween24.playById("tw01");

トゥイーンをID指定で操作するデモ

トゥイーンをグルーピングしたい場合は、以下のように使用します。

// トゥイーンを ID:group01 でグルーピングします
Tween24.tween("#box1", 1).x(860).groupId("group01");
Tween24.tween("#box2", 1).rotation(360).groupId("group01");
Tween24.tween("#box3", 1).opacity(0).groupId("group01");
Tween24.tween("#box4", 1).xy(400, 400).groupId("group01");

// ID:group01 グループのトゥイーンを再生します
Tween24.playByGroupId("group01");

まとめ

今回のアップデートで、バージョンは0.9.11となりました。すでに実際の案件で使用されている方もいるようで、ライブラリとしての手応えも感じています。もう少し機能追加できたら、バージョン1.0として正式公開してもよいかなと考えています。

引き続きTween24は「MITライセンス」で公開していますので、個人・商用問わず自由に使用してください

その他のTween24関連の記事は、以下からご覧ください。

加賀 篤史

クリエイティブディレクター。最近はゲームアプリの企画/ディレクション/UIデザインなどを主な業務としています。個人プロジェクトとしてActionScript 3.0ライブラリ「Tween24」等を開発。

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